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APS

APSフィルムが生産終了らしい。
まあ、そりゃそうだなという感じだけど、
実は私が初めて買ったカメラはAPSフィルムのカメラ。
それを選んだ理由はスーパーカーのミキちゃんが出ていたCMがかわいかったから笑
こう、本体をシャカっとひっぱってパシャっと撮る、あの感じにひかれてしまって。

カメラについて何の知識もこだわりもなく、
APSフィルムなんて知らずに買ってしまったカメラだけど、
なんでもない日常をシャカっとひっぱってパシャっと撮るのが楽しかった。
今はすっかりiphoneで撮っているので
APSフィルムがなくなっても特に困らないのだけど
あのシャカっとひっぱってパシャっと撮る瞬間はなくなってしまうんだなあ
と、なんだかさみしくなった。

ある日写真を現像に出した時、写真の確認をしていると写真屋さんが言った。
「あのね、つまらないこと聞くんだけど、どうしてフィルムなの?」
特に理由はなかったので返答に困ったが、デジカメ持ってないから、と答えた気がする。
すると写真屋さんのおばちゃんは笑いながら言った。
「写真ってね、ちっちゃい丸が集まって色がでてるの。
 同じ丸なんやけど、デジカメのはぺったんこの円で、フィルムは立体的な球なのね。
 デジカメは便利だし、綺麗なんだけど、どうしても写真がのっぺりするのよね。
 最近デジカメの現像ばっかりしてたから、久しぶりにフィルムを現像して
 それをすごく感じてしまってねえ。」
私の写真を眺めながらぼんやりそう言ったおばちゃんは、はっとして
「あら。ごめんねひきとめちゃって。カメラ大事にしてね。」
といって写真を渡してくれた。

家に帰って、友達がくれた、デジカメで撮った写真と、自分のカメラで撮った写真を見比べて
素人の私でも、おばちゃんの言っていたことが分かった。
友達がくれた写真のほうが色鮮やかで綺麗。
私の撮った写真はあんまり綺麗に撮れていなくて
でも、あの時シャカっとひっぱってパシャっと撮った瞬間に見た色と近かった。

iphoneで撮るのは楽しいし、加工だってできるし、データはいつだって見れるし
便利で何も不満はないんだけど、
そういえば、
シャカっとひっぱってパシャっと撮る、あの瞬間に見た景色とあの瞬間の感情を
現像してからまた思い出すことはなくなってしまったな。

なんていうか、
有機物を無機物にしたときに質感をもたらすのはなかなか難しいことなんだなと。
でも、その質感に人の心の琴線をふるわせる何かが潜んでいる。

まあ、デジタルであろうが、アナログであろうが、
ちゃんとしたカメラマンはその質感を写真で表現できるんだろうけどね。
カメラ越しに見た有機物の質感をひきだす力。

私は歌で、言葉で、どれくらい日常の質感をひきだすことができるだろうか。

APSフィルムで久しぶりに写真を撮ってみようかな。
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