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本屋にて

夫は弟と本屋へ行くのが好きである。
その弟くんは仕事の都合で現在富山在住。
時々休日には車で滋賀に帰ってくる。
ひとり暮らしをしてから、同じ大阪に住んでいながら一度たりとも実家に帰ったことのなかった私とは大違い。
家族思いなのである。
そして夫は弟くんが帰ってくると決まって本屋に行こうと誘う。

結婚してから弟くんが帰ってきたある日、
夫、弟くん、お義母さん、私で朝から本屋へ向かった。
夫は上機嫌であった。
車中の会話はなぜか「千と千尋の神隠し」になり、そのうち「もののけ姫」と混ざっていた。
夫がテキトーに混ぜた。

「えみこねえさんはあれから運転したんですか?」
弟くんが運転しながら聞いてくる。
弟くんには兄がひとりしかいないので、○○ねえさんと呼び分けるべきねえさんはいないのだが、彼は私のことをそう呼ぶ。
この呼び方は弟くんは私を何と呼ぶかという家族会議の末、
夫がテキトーに思いついた。

私は夫を助手席に乗せ、運転練習をした際、
夫に大変叱られ、三角座りでさめざめ泣いた話をした。
「だって、下手なんやもん。」夫があっさり事実を述べた。
「まあ、でも知らん道やから余計に怖いよね。」お義母さんが優しくフォローしてくれた。
「そやなあ」弟くんも優しく賛同してくれた。
「角を曲がったら何があるかわからんもんね。」お義母さんさらにフォロー。
「そやそや。なんか怖いもんがあるかもしらん。」弟くんまた賛同。
「何があるねん。」夫。
「…いや、かおなし、とか。」話が「千と千尋」に戻った。

本屋に行って何をするわけでもない。
各々が本屋をうろうろするのだ。
本棚の間でたまにばったり出くわす。
一緒に来たのだがそのとき出会ったように「あ。」「ああ。」と言う。
そしてまた自分の好きな棚に戻っていく。
「そろそろ帰ろうか。」
みんなで車に乗って来た道を帰る。
また何でもない話をしながら帰る。

なんとなく一緒に出掛けた気分。
そんな気分を本と一緒に持って帰るのだ。
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